Farbige Kupferstiche (銅版画展『不思議の天音』)

昨日(2/11)は学校を少し早めに上がり銅版画の展覧会に行ってきました。
山口ヒロミさんという作家さんの個展で、日本から作家さんがお越しになり一緒に作品を鑑賞できる貴重な機会でした。

ヒロミさんの作品のモデルはいつも娘さんの天音(あまね)さんです。
生まれつき重度の障害のある天音さんは脳にも重い障害があり常に苦痛があり不機嫌で、お母さんであるヒロミさんが抱いていると落ち着くので起きている時はもちろん寝ている時も常に抱っこだったそうです。
一日中抱っこで他のことができないので、片手で天音さんを抱きながら、もう片方の手で天音さんをスケッチし始めたのが絵を描き始められたキッカケだったとか。
天音さんは19歳で亡くなるまで一度も手足を使ったことがなく、植物の様にくねくねと曲がり細く伸びた手足をヒロミさんは美しく愛おしく感じられ人に見て欲しい!とその手足を表現した作品も何点かあります。
f0224632_23561835.jpg

ヒロミさんの作品がよく分かるので2003年に作られたウェブギャラリーを下記に貼っておきます。
www.selfsoart.jp/yamaguchi-h/
ヒロミさんは天音さんを生きようとする力のとても強い子だったとおっしゃっていましたが、ヒロミさんやダンナさまもとても強く愛情深い方達だと感じました。
生まれること、生きていることは奇跡のような素晴らしいことなのだと改めて感じさせてもらいました。

散歩に出掛けるのも大変な重度の障害でうちに籠りがちになり、そんな中でヒロミさんは社会と繋がりたい、天音さんを社会と繋がらせたいとパソコンやインターネットの普及していない頃に手書きの「あまね通信」を書き始め、そこに天音さんのイラストを描き始めたそうです。
それを機に銅版画を習い始め、天音さんが亡くなった後も天音さんをモデルに作品を作り続け銅版画家として活躍されています。
天音さんを社会と繋がらせたいと願われたヒロミさんを天音さんが今も社会と繋がるお手伝いをしてくれているようだなぁと感じ胸が熱くなりました。

ヒロミさんはパリでも何度か個展をされていて、その際に作品がワイナリーのオーナーの親戚の目に留まり、ヒロミさんの作品をワインのラベルにしたいとの申し出があったそうです。
ヒロミさんの作品は版画なので複数プリントできるのですが、ワインのラベルにするのでその作品は他に出ないよう全版買いたいとのこと。
価格を聞かれたヒロミさんは相場が分からず、最終的にラベル画の購入経験のあるワイナリーの方に価格をお任せしたそうですが、ワイナリーまで出向かれ作品の受け渡しの際に代金が支払われると、なんとヒロミさんは代金分のそのラベルのワインを買われたと聞き驚き思わず笑ってしまいました。
とても粋でお茶目な方ですよね。
そんなヒロミさんなので天音さんの美しさに目を向けられたのだと思います。
http://amanedo.exblog.jp/17173200/
↑ワインのラベルになった作品を検索していたらヒロミさんのブログに辿り着きました。

残念ながら私は出席できませんでしたが、9日の夜に個展のオープニング・パーティがありました。
その際にはこのワインが振る舞われたそうです。

個展は4月14日までですので、ベルリンにいらっしゃる方は是非!
開館日: 2016年2月9日より4月14日までの火〜木曜日11時-16時
会場: Frauenkreise, Choriner Str.10, 10119 Berlin-Mitte


ヒロミさんの作品とお話に思わず涙してしまいました。
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Commented by starofay at 2016-02-13 09:53
独特な雰囲気のある素敵な絵ですね。
ワインのラベルも見てきました。
いろんな人生があって皆それぞれに一生懸命に生きているんだなーと改めて実感しました。
Commented by tantan_quelle at 2016-02-13 19:10
♪かおりさん
いろんな人生があって皆それぞれに一生懸命、本当にそうですね。
天雨さんの障害がお散歩に出るのも大変で家に籠りがちで、社会と繋がりたい、天雨さんを社会と繋がらせたいと「あまね通信」を手書きで始められたそうです。まだコンピューターが普及していなかったので手書きでしたが今ならブログですよね。
そこに描いたイラストをきっかけにヒロミさんは銅版画を習い始められ、プロの版画家として活躍し作品を作り続けておられます。
天雨さんは今でもヒロミさんを通して社会と繋がり、ヒロミさんを社会と繋がらせ続けているんですよね。
Commented by yukadiary at 2016-02-14 00:49
こんばんは^^

絵に込められた想いとエピソード。
きっと語りきれないほどの想いがあったのでしょうね。
素敵な作品になってますね^^

リンク先、拝見しました^^
Commented by uhihihihi at 2016-02-14 08:03
とても繊細で素敵な絵ですね。
ワインのラベルになっていたら
思わず手に取りそうです。
娘さんへの愛情が溢れていますね・・・
Commented by himekagura at 2016-02-15 10:17 x
とても美しい絵ですね。
片手でずっとお子さんをだっこしながら、もう片手で描くのはなかなか大変だったと思います。その状況の中でも、何かを表現していたい、と思われたのは素晴らしいことだと思います。
Commented by tantan_quelle at 2016-02-17 09:20
♪yukaさん
語りきれない想いを言葉ではなく絵として綴っておられるのだと思います。
言葉ではなく絵で綴れる感性が素晴らしいですよね。
絵心がまるでない私にはできないことですが、絵は文章以上にいろんなことを表現できるのだなぁと感じました。
Commented by tantan_quelle at 2016-02-17 09:25
♪うひひさん
亡くなって16年近く経っていますが、今でも天音さんのお話をされる時は涙ぐんでおられました。
天音さんへの深い愛情がヒロミさんを銅版画家にさせ、今でも作品を作りづ付ける原動力となっているのですね。
Commented by tantan_quelle at 2016-02-17 09:35
♪himekaguraさん
まさに何かを表現したい、発信したいと思われたのだと思います。
常に抱っこで何もできないのでテレビの前に座る日々だったそうですが、そういう受け身なことが物足りなくなってきたそうで、最初は広告紙の裏に絵を描き始めたそうです。
上のかおりさんへのお返事に書いたことを本文にも加えましたが、ヒロミさんは天音さんの手足が健常者にはできない形に曲がっている状態を美しいと捉え、人に見て欲しいと描かれています。そして、発信することでヒロミさん自身も社会と繋がりたいし天音さんを社会と繋げてあげたいという思いがあったそうです。
ヒロミさんの捉え方や前向きさは本当に素晴らしいですよね。
天音さんはヒロミさんがお母さんで本当に良かったと思います。
by tantan_quelle | 2016-02-12 23:55 | イベント | Comments(8)

ドイツ、ベルリン在住のたんたんこと私が日々のできごとを気ままにアップします。お気軽にコメント頂けると嬉しいです◎


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